国際孫子クラブ

Sun-Tzu Art of Warfare 

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「世のなかが見えるようになった」人生を経験していくと、フトそんな思いにかられることがある。この場合なにが見えるかといえば、神が作られた世の中の仕組みである。もちろんその仕組みは肉体の眼では見えない。私は軍人としての道を選んだために、二十歳足らずで敵弾の下をくぐった。だんだん慣れてくるにしたがって、どうすれば敵に勝てるかを考えるようになった。少しずつ戦いの仕組みが見えるようになってきたのである。それから四十年経った。その間私なりに、この目に見えない仕組みの解明にとりくんできた。次に述べる「神の言葉」はその結言と考えていただいてよい。そして、そのあとに続く箇条書きの文章は、その神の言葉を私なりに解明したものである。私はこの神の理は軍事だけでなくすべての戦いに通ずるものと思っている。---「兵法を制する者は経営を制す」1983年PHP研究所 ---

© 2000.02.01 Tadahiko Takeoka 

「世のなかが見えるようになった」人生を経験していくと、フトそんな思いにかられることがある。この場合なにが見えるかといえば、神が作られた世の中の仕組みである。もちろんその仕組みは肉体の眼では見えない。私は軍人としての道を選んだために、二十歳足らずで敵弾の下をくぐった。だんだん慣れてくるにしたがって、どうすれば敵に勝てるかを考えるようになった。少しずつ戦いの仕組みが見えるようになってきたのである。それから四十年経った。その間私なりに、この目に見えない仕組みの解明にとりくんできた。次に述べる「神の言葉」はその結言と考えていただいてよい。そして、そのあとに続く箇条書きの文章は、その神の言葉を私なりに解明したものである。私はこの神の理は軍事だけでなくすべての戦いに通ずるものと思っている。---「兵法を制する者は経営を制す」1983年PHP研究所 ---

© 2000.02.01 Tadahiko Takeoka 

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新釈 孫子

2000年6月発行

はじめに-「孫子」の現代的意味

第一部 全般解説

一、「孫子」の評価

(一)「孫子」の兵書的評価

(二)現代の実業界にも通じる「孫子」

(三)「孫子」は芸術的兵書であ

(四)十三編を貫く三理念

二、「孫子」の経営・ビジネス活用法

(一)絞り込み学習法が大切

(二)基本となる原則

(三)高等戦術的な原則

三、「孫子」を学ぶための基礎知識

(一)「孫子」成立の歴史的背景

(二)「孫子」の人間性

(三)「孫子」の中庸性

(四)「孫子」の現実性

(五)「孫子」著作の目的

(六)十三編の構成

第二部 「孫子」通解

計 篇 第一

(一)五事七計による勝敗の算

(二)有利な外部情勢の作為

(三)わが方策(内謀)の決定

(四)勝算の算定とその評価

作戦 篇 第二

(一)中庸性方策の重要性

(二)軍費と国民生活

(三)敵に勝ちて強を益す

(四)兵を知ることの意味

謀攻 篇 第三

(一)戦わずして勝つ

(二)謀攻の法

(三)力学的合理用兵

(四)君主と将軍の関係

(五)勝を知る条件

形 篇 第四

(一)まず負けない態勢を取る

(二)攻めか守りかは相手との力関係で決める

(三)勝ち易きに勝て

(四)まず勝て後戦う

(五)組織は常に充実しておく

(六)指揮手順も勝利の要因

(七)集中効果は形をとることで生まれる

勢 篇 第五

(一)「孫子」の組織機能論

(二)奇と正のバランス

(三)勢いの効果を知れ

(四)「奇正の変」用兵に必要な諸要因

(五)企業に勢いをもたせよ

虚実 篇 第六

(一)先手必勝

(二)間接戦略を使え

(三)人無き地を行け

(四)敵の虚を衝け

(五)弱者の戦法

(六)勝利の創造法

(七)敵に合わせて変化して勝つ

軍争 篇 第七

(一)第二の戦略「迂直の計」

(二)利と危は紙一重

(三)「迂直の計」に必要な条件

(四)風林火山

(五)物による矛盾の解決法

(六)「迂直の計」の狙いどころ

(七)触らぬ神にたたりなしの策

九変 篇 第八

(一)九変の術

(二)ピンチはチャンス

(三)仕事を与えて人を動かす

(四)備えあれば患いなし

(五)五危の矯正

行軍 篇 第九

(一)接敵時の行動原則

(二)兆候を読むことの大切さ

(三)情報の意義の推理

(四)状況を侮る者は失敗する

(五)恩愛と尚武の統率

地形 篇 第十

(一)地形の戦術的解説

(二)六つの敗因は将の過ち

(三)上将の道

(四)勝負を支配する要因

九地 篇 第十一

(一)九地と用兵法

(二)敵国進攻作戦

(三)組織管理はチームワーク

(四)将軍の姿勢

(五)孫子兵法の極意

火攻 篇 第十二

(一)五火の変

(二)目的と目標、哲学、人間性(全篇の結言)

用間 篇 第十三

(一)敵情に金を惜しむなかれ

(二)先知の重要性

(三)スパイの区分と運用法

(四)諜報は軍のかなめ

おわりに-本書を活用し、「孫子」を学ぶ人へ

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まんが 孫子の兵法

1998年8月発行

読者の皆様へ

第一篇 計 篇

一 利にして之を誘え

二 能なるも之に不能を示せ

第二篇 作戦 篇

三 兵は勝つことを貴び、久しきを貴ばず

四 敵を殺す者は怒なり

第三篇 謀攻 篇

五 彼を知りて己を知れば、百戦して殆うからず

六 善く兵を用うる者は、人の兵を屈するも而も戦うに非ざるなり

第四篇 形 篇

七 先ず勝つ可からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ

八 善く戦う者の勝つや、智明無く、勇功も無し

第五篇 勢 篇

九 兵の加える所、碬を以て卵に投ずるが如くするは、虚実これなり

十 善く敵を動かす者は、之に形すれば、敵必ず之に従い、之に予うれば、敵必ず之を取る。利を以て之を動かし、卒を以て之を待つ

第六篇 虚実 篇

十一 我専にして一と為り、敵分かれて十と為れば、是れ十を以て其の一を攻むるなり。則ち我衆くして敵寡し。能く衆を以て寡を撃てば、則ち吾の与に戦う所は約なり

第七篇 軍争 篇

十二 山林・険阻・沮沢の形を知らざれば、軍を行ること能わず

十三 兵は詐を以て立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す者なり

第八篇 九変 篇

十四 城に攻めざる所有り

十五 兵を用うるの法、其の来たらざるを恃むことなく、吾が以て待つ有るを恃むなり。其の攻めざるを恃むこと無く、吾が攻む可からざる所有るを恃むなり

第九篇 行軍 篇

十六 軍行に険阻・潢井・葭葦・山林・蘙薈有れば、必ず謹んで之を覆索せよ。此れ伏姦の処る所なり

第十篇 地形 篇

十七 夫れ地形は兵の助けなり。敵を料り勝を制し、険阨・遠近を計るは上将の道なり。此れを知りて戦いに用うれば必ず勝ち、此れを知りて戦いに用いざれば必ず敗る

第十一篇 九地 篇

十八 兵を為むるの事は、敵の意に順詳するに在り。笄せて敵に一ら向かい、千里にして将を殺す。此を巧みに能く事を成す者と謂うなり

第十二篇 火攻 篇

十九 火、内より発すれば、則ち早く之に外より応ぜよ

第十三篇 用間 篇

二十 内間とは、其の官人に因りて之を用う

 

資料「孫子入門」

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「孫子」を読む

1998年3月発行

まえがき

第一 計 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、計篇概説

第二、哲学

第三、組織力(五事)

第四、情報活動

第五、状況判断

第六、制権とは何か

第七、詭道の重要性

第八、意思決定

第二 作戦 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、作戦篇概説

第二、兵を知る

第三、拙速の真意

第四、「敵の貨を取る」作戦

第三 謀攻 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、謀攻篇の意図と謀攻の法

第二、孫子の戦略理論

第三、将は国の輔

第四、勝を知る道

第四 形 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、形篇概説

第二、不敗の形

第三、先ず勝ちて戦う

第四、積水を千仞の谿に決する采配

第五 勢 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、勢篇概説

第二、奇の発想

第六 虚実 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、虚実篇概説

第二、人を致して人に致されず

第三、弱者の戦法

第四、敵に因りて変化して勝つ

第七 軍争 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、軍争篇の主旨

第二、矛盾の意味

第三、風林火山法(発想追加法)

第四、金鼓旌旗法

第五、視点の転換法

第八 九変 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、九変篇概説

第二、九篇の術

第三、智者の慮

第四、人を動かす業

第五、備えあれば患なし

第六、五危の矯正

第七、将の器量

第九 行軍 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、行軍篇概説

第二、環境を味方にせよ

第三、健康管理

第四、兆候と推理

第十 地形 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、地形篇概説

第二、六つの敗の道

第三、会長と社長

第四、企業倫理の座標

第五、愛情による統率

第六、覚悟の経営

第十一 九地 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、九地篇概説

第二、人間とその操縦法

第三、組織論

第四、リーダーの心得

第五、孫子兵法の極意

第十二 火攻 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、火攻篇概説

第二、源義家の火攻戦例

第三、「七三の理論」

第四、孫子の人間主義

第五、目的と目標

第六、孫子と武田信玄の処世信条

第十三 用間 篇

競争の原則・通解・原文・読み下し文

解説

第一、用間篇概説

第二、企業と諜報工作

第三、個人情報の整理

第四、力学的合理主義と「戦わずして勝つ」

<資料>春秋時代の戦争

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孫子の経営学

1995年8月発行

はしがき

「孫子の経営学」の底本について

計 篇 第一

要点

1、独自の経営観を持て(戦争哲学)

2、常に備えを怠らず組織を充実せよ(経事)

3、目的決定の状況判断は慎重に(校計)

4、状況の変化への柔軟な対応を(制権)

5、軽妙な詭道の発想をもて(詭道)

6、勇気をもって決断せよ(意志決定)

計篇要旨

通解

通解コメント

ビジネス解

事例①~

作戦 篇 第二

要点

1、経営を知る努力を惜しむな

2、資本の回転率をよくせよ

3、背反する二律は問題解決の鍵

4、背に腹はかえられぬ

5、利益は体質強化に使うべきもの

作戦篇要旨

通解

ビジネス解

謀攻 篇 第三

要点

1、最小最大の理に基づく戦略は次等の戦略

2、最高の戦略は戦わずして勝つ

3、戦力の配分は戦略力二、戦術力一が理想

4、戦略実行の手段は謀攻、外交、実力行使

5、優勝劣敗の原理を数字化すれば三対一

6、戦略の失敗は戦術では補えない

7、トップとスタッフの間にスキができたら危うい

8、リーダーシップには判断力と指導力が必要

9、彼を知り己を知れば百戦殆うからず

謀攻篇要旨

通解

ビジネス解

形 篇 第四

要点

1、まず勝つことより負けないことを考えよ

2、攻撃は最良の防御にあらず

3、勝つべきものは攻むるなり

4、勝ちやすきに勝て

5、組織を一丸とし、規律を守らせよ

6、よき形で、積水を千仞の谿に決せよ

形篇要旨

通解

ビジネス解

勢 篇 第五

要点

1、商売と組織管理は表裏一体

2、正と奇は企業活動の基本機能

3、奇は相手を差別化するテクニック

4、奇の発想への努力は企業のサバイバルの道

5、指揮は威勢よく短切的確であれ

6、組織は采配により乱れ、おびえ、弱くなる

7、リーダーは組織を勢いづける努力を怠るな

勢篇要旨

通解

ビジネス解

虚実 篇 第六

要点

1、虚は内なる誘惑から生じる

2、先んずれば人を制す

3、人なき地を行くには情報と決断がいる

4、弱者の戦法は敵は分散、我は集中

5、戦いの地と日を知れば断固実行せよ

6、勝利を創造し、成功を創造せよ

7、人は成功の外見を知っているが、本当の理由を知らない

8、兵に常勢なく、水に常形なし

虚実篇要旨

通解

通解コメント

ビジネス解

総合コメント

軍争 篇 第七

要点

トレードオフ

1、トレードオフとは?

2、トレードオフの対応三タイプ

3、トレードオフの四パターン

ブレークスルー4法

1、発想追加法

2、物による解決法

3、組織解決法

4、視点変換法

軍争篇要旨

通解

ビジネス解

九変 篇 第八

要点

1、知識を現場に生かす知恵に変えよ

2、人を動かすには利益のほかに業がある

3、備えあれば憂いなし

4、上級者は性格的欠点の矯正に努めよ

九変篇要旨

通解

ビジネス解

総合コメント

行軍 篇 第九

要点

1、ルール違反は失敗する

2、兆候を読むことの大切さを知れ

3、情報資料のもつ意義を推理せよ

4、状況を侮るものは失敗する

5、人をみて法を説け

行軍篇要旨

通解

ビジネス解

総合コメント

地形 篇 第十

要点

1、地形の利用法にもルールがある

2、バカな指揮官、敵より怖い
失敗の原因は判断の誤りか指導力の不足

3、環境を味方にせよ

4、凄みを帯びた責任感で事に当れ

5、底知れぬ男の愛で部下に接せよ

6、動きて惑わず、挙げて窮せずを信条とせよ

地形篇要旨

通解

通解コメント

ビジネス解

総合コメント

九地 篇 第十一

要点

1、背に腹は代えられないときは火中の栗を拾え

2、真の労務管理は相互信頼にあり

3、組織は常山の蛇のように、システム行動せよ

4、トップは部下を高きに登らせて梯子を外せ

5、企業は努力して覇王の兵となれ

6、人は苦難に陥ったときはじめて馬鹿力を出す

7、敵の企図を推し量ることが大切

8、はじめは処女のごとく、後は脱兎のごとし

九地篇要旨

通解

ビジネス解

火攻 篇 第十二

要点

1、七対三の比率は思いのほか使途が多い

2、五火の変は、人間集団を操作するための原則

3、目標は目的を達成するために設けるもの

火攻篇要旨

通解

ビジネス解

用間 篇 第十三

要点

1、情報活動に金を惜しむな

2、IBM産業スパイ事件の教えるもの

3、先手必勝は先知から

4、技術史の裏面はスパイ史

5、大物を間に使えば大事も成る

用間篇要旨

通解

ビジネス解

 

参考文献

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リーダーシップ孫子

指導者はいかにあるべきか

1994年5月発行

何が人を引きつけるか-まえがきに代えて

第一章 リーダーの識能と責任

1 リーダーの識能

2 リーダーの責任

3 処世哲学、処世感をもつ

4 大局を見る目を養う

5 危機管理の知恵と肝をもつ

6 心の修養に努める

第二章 判断力を磨く

1 理念と目的・目標

2 地形判断力を身につける

3 敵情判断力を身につける

4 状況判断力を磨く

第三章 リーダーのあるべき姿勢を知り努力する

1 基本的資質

2 智

3 信

4 仁

5 勇

6 厳

第四章 指導力を身につける

1 組織の本質を理解する

2 コミュニケーションをはかる

3 人間の性を理解する

4 報連相の実行につとめる

5 勢いにのせる

6 ヤル気を出させる

7 指揮の要訣を知る

8 位置を適切にする

9 教育につとめる

第五章 戦略力を学ぶ

1 備え

2 謀攻の法

3 処世哲学がもたらす戦略

4 環境が戦略に及ぼす影響

5 弱者の戦略と強者の戦略

6 まず失敗しない態勢をとって攻めに出る

7 成功の見通しを立てて始める

8 成功の手順を重んじる

9 戦力の構築を会得する

第六章 戦術力を学ぶ

1 奇は活路を開く条件

2 先手必勝をはかる

3 主導性をもって臨む

4 相手の隙・盲点・弱みを衝く

5 弱者の戦術は敵を分けること

6 チャンスを逃がすな

7 コツを学べ

第七章 矛盾解決力をマスターする

1 物を使って解決する

2 別の組織を使って解決する

3 次々と発想していく

4 発想を変える

5 待って解決する

6 君子危うきに近寄らず

第八章 現場に合う知恵を出せ

1 状況の特性に応ずる手を打て

2 鬼門に近寄るな

3 両極思考を忘れるな

4 利・害・業を使い分けて効率をあげる

第九章 相手の陣営の混乱に乗ずる法

1 敵の後方をたたくのが有利

2 敵の内部の混乱につけこむ

第十章 たえず目的と目標の関係を意識しながら行動する

1 目的を忘れてはならない

2 目的と目標を混同してはならない

3 目標とは目的に到達するための手段であり、当面の前進目当てである

4 目標を無視して目的をつかもうと焦れば、足もとをすくわれる

5 目的を忘れて目標に熱中すれば、無駄働きとなる

6 クラウゼヴィッツの目的・目標論

 

「孫子」全文の読み下し文とその要点の限定注解

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孫子一日一言

1994年2月発行

はじめに

孫子読み下し

1月のことば

1月1日 兵は国の大事察せざるべからず

孫子のこの冒頭の言葉は、後の死生の地、存亡の道と相俟って、まず事の初めに、その本質を捉え、理念を確立すべきことの大切さを教えている。その処世観に基づき何が重要か、何をなすべきか、をといたのが五事(平素の準備)及び七計(状況判断)である。彼は戦争は国民の死生、存亡にかかわる大事だからむやみにしてはいけないといい、これを為政者は肝に銘じておけと釘をさす。だが、世は戦国乱世、戦争は避けがたい。「戦わずして勝つ」の高邁な戦略理念は、この矛盾を克服することによってうまれたものだ。これからいえることは、哲学、信条、理念をもつことの大切さだ。これは人間として、特に人の上にたつ者、組織を動かすものにとって何にもまして大切だということである。論より証拠、この不況下に比較的好調な企業に共通する点の第一は、企業哲学をもっていることだという。ただこの哲学、経営観は倫理的に裏うちされたものでなくてはならない。

2月のことば

2月1日 算少なきは勝たず

本項の「少算不勝」は前項につづく文章である。開戦前、宗廟(おたまや)の会議で勝算が少ないというのは、状況判断の結果、その勝ち目が少ないということである。孫子はこの判断で、事前に勝敗をはっきり予測できるという。孫子の主張を一言でいえば、熟慮断行である。彼はこれを「始めは処女の如く、終わりは脱兎の如し」という。熟慮とは状況判断をしっかり行ない、方針をきめよということだ。第二次世界大戦中、英米では確実に勝利を獲得するために、敵対比率においてどのくらいその戦場に兵力を投入すればよいかとか、敵の後方を叩く戦略力と前線の敵と戦う戦術力の比などの数量探究と、情報活動や状況判断の思考過程の手法の標準化、形式化などの研究を行なって、勝利の確実な獲得につとめた。これがオペレーションズ・リサーチ(OR)である。その核心は十分な資料に基づく理論的思考であり、計算(資料判断)と思考の両論の必要性を示唆している。したがって孫子の状況判断はORそのものである。

7月のことば

7月13日 朝気は鋭く、昼気は堕し、暮気は帰る

本項の「是故朝気鋭、昼気惰、暮気帰」は、心気の移り変わりの差異をのべた言葉である。この意味は、ふつう人間の気力というものは、朝は鋭く、昼は鈍り、夕方は衰えるものである。これは事をなすうえにおいて重要なことなので、人を使うもの、組織を管理するものは、自己の組織、相手の組織の気力が、今、鋭いか、鈍っているかを、はっきりつかんでいることが大切だというものだ。日本海海戦のとき、東郷連合艦隊司令長官は、敵のバルチック艦隊は半年に及ぶ航海で、その気は惰し、一刻も早くウラジオストックに入るため、必ず朝鮮海峡を通ると判断して朝鮮の鎮海湾で待機し、わが朝気をもって敵の暮気にうち勝った。これに対してミッドウェー海戦では、逆に米ハワイ艦隊の朝気に、わが連合艦隊の昼気をうたれ敗れた。連合艦隊は、開戦前半年間の血の滲む猛練習と、開戦後半年間の息もつかせぬ攻撃のため、さすがの精鋭も惰して昼気になっていた。上にたつ者は、この部下の心気をつかんで指揮する必要がある。

 

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