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戦 国 策せんごくさく


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戦 国 策せんごくさく


戦国策・解説

「戦国策」は紀元前6年頃成ると伝わる。原著書は不明であるが前漢の「劉向(前77~前6)」が宮中の蔵書を校定し諸本の錯乱、重複を正して三十三巻、十二ヵ国別に編纂して「戦国策」と名付けたと伝わる。中国の戦国時代(前475~前221)は典型的な大乱世で春秋時代の群小国は優勝劣敗の試練を経て七ヵ国となり、やがて逐次国力を増しながら他国を圧倒した「秦」がついに天下を制覇した。この間の中小国の情勢変転の風雲に乗じて身に寸鉄を帯びず舌先三寸で国際情勢を意の如く操ろうとした幾多の「遊説の士(縦横家)」の奔走、権謀術数の秘術、主張、業績を書き留めたものが「戦国策」である。その政略・外交・謀略の神髄は「孫子」が具体的に著していない「謀伐、交伐、および戦わずして人の兵を屈する善の善なる道」に通じる。「合従連衡(がっしょうれんこう)」の言葉が未だに諺(ことわざ)の域を出なかった日本の政治と外交の見識が偏った国防方針と地勢的な限界を示している。


連 衡れんこう

連衡

  1. 大国「秦」の恵王に「蘇秦(縦横家)」が提案したが受入られず、後に同じ縦横家の「張儀」が献策して採用された秦の天下統一策の一つである。
  2. この策の狙いは敵対勢力の「各個撃破」である。各中小国が連合(合従)して大国・秦にあたろうとするのに対して、先ず小国の一つと結んで敵対勢力の統一戦線を分断する。更にその小国を使って他の小国を挟撃させ全ての小国を一つずつ逐次に外交と武力で征服していく。
  3. 「張儀」は秦王の特使となり、有力な小国を説得して秦に従わせた。その二つの論拠は、早く大国の秦と結ばないと他の国が秦と結んで貴国を攻めに来る。貴国のような小国は大国秦と戦っても勝ち目が無く、たとえ一度勝っても損害が大きく二度目には滅亡する。

合 従がっしょう

合従

  1. 秦への献策に失敗した「蘇秦」が大国秦の侵略(連衡)に抵抗して各諸国の連合戦線を結成して秦の天下統一阻止した策略。
  2. 趙王に献策して宰相となり、更に特使となって燕、魏、韓、斉、楚の各中小国を遊説して秦に対する連合戦線「合従」に成功した。そのため、強大を誇るさしもの秦も「蘇秦」が趙の宰相である間は、函谷関を出て、六国を攻めることができなかった。
  3. 蘇秦の「斉」への献策は、「貴国は両雄並び立たずで「秦」とは共存できません。他の小国を集めて統一戦線をつくり、力を合わせて秦に対抗すべきではありませんか。強大国の秦でも六国の力を合わせたものには及びません。貴国が秦の「連衡策」に従えば秦に領土を献じなければなりません。「合従策」を採って弱小国の味方になれば小国は喜んで貴国の欲するものを献じてくるでしょう。」
  4. 蘇秦の他の小国への説得は、「貴国は大国秦の前でまさに風前の灯です、助かる道は一つしかありません。それは秦を共同の敵とする友邦と連合することです。小国でも力を合わせれば大国より強大になれます。大国の連衡策で庇護を受けるには領土を献じなければならないが、これは結局、敵国の秦を強くすることになります。同じく献じるなら「合従策」の中心となる中国の「斉」に献じて味方を強くすべきです。」
  5. 「秦」が「趙」に対して、「共同して「燕」を攻めよ、成功の暁には燕の領土の半分を貴国に任せる」と申し込んで来た。喜んで出動しようとする趙王に対して趙の賢臣が「燕をお攻めになれば、食事も終わらぬうちに、秦の禍が我が国を見舞うでしょう」と諫めた。
  6. 趙の賢臣の論拠は、隣国同士の「趙」と「燕」が協同して、ともに健在であればこそ、強国「秦」も手を出せないのであり、一国が力を失えば、残りの一国は容易に秦の餌食になってしまう。よって「合従」すべきであり「連衡」は危険である。

遠交近攻

遠交近攻


強助弱挫

強助弱挫


「戦国策」大要

  1. 商於六百理「秦策」
  2. 蛇足を画く「斉策」
  3. 海、大、魚、「斉策」
  4. 士は己を知る者の為に死す「趙策」
  5. 楚に至らんとして北行するが如し「魏策」
  6. 鶏口となるも牛後となるなかれ「韓策」
  7. 漁夫の利「燕策」
  8. 先ず隗(かい)より始めよ「燕策」
  9. 騏驥(きき)も老いては駑馬に劣る「斉策」
  10. 百里を行く者は九十を以て半ばとす「秦策」
  11. 禍(わざわい)を転じて福となす「斉策」
  12. 壮士ひとたび去ってふたたび還らず「燕策」

-- 参考文献 --

■「兵書抜粋」大橋武夫著 私家版(1976)■「兵書研究」大橋武夫著 日本工業新聞社(1978)■「統帥綱領」大橋武夫著 建帛社(1972)■「秘本兵法・三十六計」大橋武夫著 徳間書店(1981)■「鬼谷子」大橋武夫著 徳間書店(1982)■「闘戦経」大橋武夫著 私家版(1982)■「兵法経営塾」 大橋武夫著 マネジメント社(1984)■「新釈孫子」 武岡淳彦著 PHP研究所(2000)■「日本陸軍史百題」武岡淳彦著 亜紀書房(1995)■「弱者の戦略・強者の戦略」武岡淳彦著 PHP研究所(1989)■「兵法と戦略のすべて」武岡淳彦著 日本実業出版社(1987)■「兵法を制する者は経営を制す」武岡淳彦著PHP研究所(1983)■「中国古典新書六韜三略」岡田脩訳 明徳出版社(1979)■「孫子呉子全訳武経七書」守屋洋・守屋淳著 プレジデント社(1999)■「司馬法、尉繚子、李衛公問対、全訳武経七書」守屋洋・守屋淳著 プレジデント社(1999)■「六韜、三略、全訳武経七書」守屋洋・守屋淳著 プレジデント社(1999)■「中国古典名著・総解説」自由国民社(1982)■「東洋文庫 戦国策1.2.3」常石茂訳 平凡社(1966)■「五輪書」神子侃 徳間書店(1976)■「宮本武蔵」大倉隆二著 吉川弘文館(2015)■「五輪書」渡辺一郎 校注 岩波文庫(1989)■「兵法家伝書」渡辺一郎 校注 岩波文庫(1985)■「物語柳生宗矩」江崎俊平著 社会思想社(1971)


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「兵法小澤様問対」
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(兵法塾外伝 平成・令和)

2009年の3月14日に初めて「小澤様」からの掲示板への書き込みがあり、その都度、拙いご返事をお返ししてきましたが、いつの間にか14年も経過して、世相も時代も大きく変化してしまいました。その時勢に応じた大橋武夫先生、武岡淳彦先生の著書やエピソード及び古典、ビジネス書をテーマにした「小澤様」との掲示板での対話が日々研鑽の証となり、個人的にも人生の貴重な足跡となりました。2013年頃より大橋先生の「お形見の書籍」を電子書籍として作成させて頂いていましたが、この度、「兵法塾・掲示板」での「小澤様」との兵法に関するやり取りを、保存と編集をかねて電子書籍として公開させていただきます。引き続き、ご指導ご鞭撻を賜れば幸甚でございます。
兵法 小澤様問対 上 【9】~【59】2009(平成21)年3月14日~2010(平成22)年6月26日
兵法 小澤様問対 中 【60】~【115】2010(平成22)年7月28日~2013(平成25)年2月17日
兵法 小澤様問対 下 【116】~【178】2013(平成25)年3月3日~2023(令和5)年1月5日

2023年12月

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千に三つの世界から明日の
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2023.10.01

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兵書抜粋 兵書抜粋
兵書抜粋闘戦経
兵法を制する者は経営を制す 弱者の戦略・強者の戦略
兵法を制する者は経営を制す 弱者の戦略・強者の戦略

【 兵書抜粋・闘戦経 】

1987年の暮れに大橋先生の奥様より、お形見分けとして先生の蔵書を「兵法経営研究会」に分けていただくことになり、事務局の中内さんより希望の書籍を聞いて来られたので、「兵書抜粋」と「闘戦経」をお願いしたら、会長の竹林さんより丁寧な手書の宛名と包装で、それぞれ十冊ずつ実家に送って頂いた。「兵書抜粋」は1962年にベストセラーになった「兵法で経営する」を復刊されるにあたり「多忙な皆さんに、手っ取り早く兵法をわかっていただけるよう、これまでに蓄積した私の知恵のありったけを絞り出して、新たに書き下ろした。」と言われているように兵法経営の原典「兵法で経営する(復刊)」1977年の特別な付録として初めて世に出されたもので、その後1980年開講の「兵法経営塾」の基本教科書(小冊子)として活用された。 「闘戦経」は大江匡房(1041~1111)著伝で明治初期に研究者により毛利家の書庫より呉の海軍兵学校に伝わった。戦後の1962年頃、兵法経営を研究されていた大橋先生に東部軍参謀時代の参謀長高島辰彦氏より秘蔵の一本(昭和九年木版刷)が下された。開講三年目頃の「兵法経営塾」では鬼谷子や三十六計とともに日本の闘戦経も教材になり、当時は私家版として出版された「闘戦経」が「兵書抜粋」とともに重要な教科書となった。塾生たちが細やかな喜寿のお祝いをしたら先生はそのお礼に「兵法経営塾」(1984マネジメント社)を出版された。「闘戦経」は、その付録として初めて世に広く公開されたものです。「兵書抜粋」「闘戦経」は一般の書籍として刊行されたものではなかったが、先生のご遺族にご無理をお願いして2013年に電子書籍として公開させて頂きました。「兵書抜粋」には大橋先生が抜粋された、「孫子・君主論・政略論・戦争論・統帥綱領 統帥参考・作戦要務令」が収録されています。その他の兵書はWebサイト「兵法塾」https://www.heihou.com/を主宰するにあたり自らの研鑽をかねて大橋先生・武岡先生の著書とその他の古典を参考にして抜粋収録したものです。Mobile用の「兵法塾」に収録できなかったものを新たにWebサイト「兵書抜粋」として公開させて頂きました、お役にたてば光栄です。

-- 2022.12.08 サイト主宰者 --


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