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「 君 主 論 」 |
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武力があれば侵略はできるが、住民の心を得なくては、これを維持できない。 |
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いったん謀反により失った領土を再び手に入れた場合は、今度は容易に失うことはない。 |
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人間は大いなる迫害に対しては復讐できない。 |
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戦争を避けることばかり考えていれば、ますます不利になる。時は、善をも悪をもかまわず連れてくる。 |
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他国が強くなるのを助ける国民は自滅する。 |
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自治制国家を占領したら、国民を抹殺するか、君主自らそこに住め。 |
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反乱者は、いかに恩恵を与えても、かつての自由を口実として、また反乱する。 |
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実力によって君主となる者は、征服には困難するが、征服後の維持には困難しない。 |
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征服国には、新しい秩序や政治様式を導入しなければならないが、これには大きな困難がある。従来の秩序や政治様式の恩恵を受けてきた者は結束してこれに反対し、機敏積極的であるが、新しい秩序や政治様式の導入を支持すべき者は、それに反対する不信感と旧勢力に対する恐怖感を拭い切れず、消極緩慢だからである。 |
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武器なき預言者(聖者・人格者)は滅びる。道徳だけで治めていた国は必ず武力で滅ぼされている。(韓非子) |
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他人の武力または自らの幸運によって国を手に入れた君主は、すぐ裏付施策をしないと危ない。しかし、これは難しい。建物をたててしまってから基礎工事をするようなものだからである。 |
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君主は人を捨てることを知れ。 |
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悪虐君主でも、悪虐を繰り返さねば成功する。 |
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好ましくないことは、一度に全部やってしまえ。 |
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人間は、迫害を受けると思った者からわずかな恩恵を受けると、感激する。 終戦後、マッカーサー万歳!といった日本人がいた。 |
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君主は、民衆の支持を得ていると錯覚してはならない。彼らが「わが君のためには死をも辞さない」というのは、死を必要としないときだけである。 |
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民衆の支持を得た代官は君主を倒すことができる。 |
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属領(主戦場以外の正面)のために戦力をさくな。 |
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人間は、人に恩恵を与えると、恩恵を受けたのと同じぐらい、その人のために尽くす。たくさん寄進した者ほど熱心な信者となる。 |
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国の基礎をなすものは、良い法律と良い武力である。 |
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スイス人は、外国援軍が負ければ敵に滅ぼされ、勝てば彼らの虜にされる。援軍は、その実戦わざるなり。(尉繚子) |
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君主は軍事に専念せよ。経営者は経営に専念せよ。(P.F ドラッカー) |
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君主には悪徳も必要である。どの程度まで善人であればよいかをわきまえておれ。 経営にとって、人格者ほど危ないものはない。(井上準之助) 経営者には横着さと神経の太さが必要である。(越後正一) |
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君主は、あるときは善をなし、あるときは悪ができねばならない。悪人との妥協も必要である。国を滅ぼすような悪や国の存亡に関係のない悪をしてはならない。 |
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君主の美徳が国を滅ぼし、悪徳が国を栄えさすことがある。 |
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君主は吝であれ。気前がよくても増税すれば怨まれる。君主の気前よさの恩恵に浴する者は近くにいる少数であるが、その被害者は多数である。 |
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人民は単純であり、目先の利益によろめき、明日の致命的不利を思わない。 |
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君主に大切なことは、真義を守り、仁慈、誠実で、人情にあつく、信心深そうに見えることである。本当にそうであり、常にそのすべてを実行すれば失敗する。善く見せかけることは容易である。人民は外見と結果だけで判断する。 虚名の威力は絶大である。 |
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君主は憎まれたり、見くびられたりしてはならない。 |
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重臣や側近から「不決断なり!」と見くびられた君主は危ない。 |
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君主に強い軍隊があるかぎり、善良なる同盟国に不自由することはない。金がなくなると、悪友も寄りつかない。 |
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君主は愛されるより恐れられよ。恐れられるほうが安全である。 |
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君主は恐れられてもよいが、恨まれてはいけない。 |
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君主は、真義など守らなくてもよいことがある。 |
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狐をよくまねる者ほど成功する。 |
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不平家に反乱の本心を打ち明けた者は、必ずその不平家を満足させねばならない。密告するぞ・・・と脅されるからである。 |
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君主が憎まれる原因には、悪行と善行の二つがある。 |
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ピサを治めるには城塞をもってし、ピストイアを治めるには派閥争いをさせる。 |
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ことさらに敵を作り、これを滅ぼして名声をあげよ。 |
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侵略者を率先歓迎する者は信じられない。 |
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新君主が尊敬を集めようと思ったら、人々の度肝をぬけ。ナポレオンはただ勝つだけでは権威を獲得できなかった。そのため彼は冬のアルプスを越えて見せた。 |
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決断力のない君主は中立に逃避して滅びる。 |
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味方でない国には中立をせまり、中立したら、わが国のために武器をとらせる。 |
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自国より強い国の手を借りるな。たとい勝っても、獲物を横取りされ、悪くすれば自身がその国の捕虜にされる。 |
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君主の頭脳の程度は、その宰相をみればわかる。 |
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君主は宰相を優遇せよ。しかし与えるもの以上を望ませるな。 |
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へつらい者を避けるには、賢い側近をえらび、その者たちだけに直言させよ。 |
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進言を生かすものは君主自身である。良い進言は君主の深い思慮から生まれるべきであり、良い進言から君主の深い思慮が生まれるようではいけない。 |
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運命は河である。阻止はできないが管理はできる。 |
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自分自身を運命にまかせている者は、運命とともに浮沈する。自分のやり方と運命の波動とを調和させた者は、つねに幸福である。 |
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運命の神は女性である。彼女を征服するには叩いたり、突飛ばしたりする必要がある。 |
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運命は女性に似て若者の友であり、無分別で、荒々しく、大胆なところに魅力を感じる。 |
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やむにやまれぬときの戦いは正義であり、他に方法がないときの武力行使もまた神聖である。 |
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