呉子 図國
兵 法 塾
TOP Ohasi Takeoka SiteMap Link Information WebShop Comment      祈願・三陸皆様の心の復興 2011.3.11  
兵書抜粋
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呉 子  ごし
一、図國 二、料敵 三、治兵 四、論将 五、応変 六、励士
    一、図國
   
兵機を以て魏の文侯に見ゆ。文侯曰く、寡人、軍旅の事を好まず、と。起曰く、臣、見を以て隠を占ひ、往を以て来を察す。
昔の國家を図る者は、必ず先ず百姓を教へて万民を親しむ。
道とは本に反り、始に復る所以なり。義とは事を行ひ功を立つる所以なり。謀とは害を去り利に就く所以なり要とは業を保ち成を守る所以なり。
然れども戦ひて勝つは易く、勝を守るは難し。故に曰く、天下の戦ふ國、五たび勝つ者は禍なり、四たび勝つ者は弊え、三たび勝つ者は覇たり、二たび勝つ者は王たり、一たび勝つ者は帝たり、と。是を以て数々勝ちて、天下を得る者は稀に、以て亡ぶる者は衆し。
凡そ兵の起る所の者五有り。一に曰く、名を争ふ。二に曰く、利を争ふ。三に曰く、悪を積む。四に曰く、内乱る。五に曰く、飢えに因る。
強國の君は必ず其の民を料る。
君能く賢者をして上に居り、不肖者をして下に処らしむれば、則ち陳已に定まる。
   
    二、料敵
   
それ国家を安んずるの道は、まず戒むるを宝となす。いま君已に戒む、禍それ遠ざからん。
およそ敵を料るに、卜せずして これと戦うべきもの八つあり。一に曰く、疾風大寒に早く起きさめて遷り、氷を剖き水を済りて艱難を憚らざる。二に曰く、盛夏炎熱におそく起きてひまなく、行駆飢渇して遠きを取ることを務むる。三に曰く、師、すでに滝久して糧食あることなく、百姓は怨怒して妖祥数起こり、上止むること能わざる。四に曰く、軍資すでに竭き、薪芻すでに寡く、天、陰雨多く、掠めんと欲すれども所なき。五に曰く、徒衆多からず、水地利あらず、人馬疾疫し、四鄰至らざる。六に曰く、道遠くして日暮れ、士衆労懼し、倦んでいまだ食わず。甲を解きて息える。七に曰く、将薄く吏軽く士卒固からず、三軍数驚きて師徒助けなき。八に曰く、陣して未だ定まらず、舎して未だ畢らず、阪を行き険を渉り、半ば隠れ半ば出ずる。諸かくの如くなる者は、これを撃ちて疑うことなかれ。
占わずしてこれを避くるもの六つあり。一に曰く、土地広大にして人民富衆なる。二に曰く、上その下を愛して恵施流布せる。三に曰く、賞は信、刑は察、発すること必ず時を得たる。四に曰く、功を陳べ列に居り、賢を任じ能を使える。五に曰く、師徒これ多くして兵甲の精なる。六に曰く、四鄰の助け、大国の援けある。およそこれ敵人に如かずんば、これを避けて疑うことなかれ。いわゆる可なるを見て進み、難なるを知りて退くなり。
兵を用うるには必ず須く敵の虚実を審かにして、その危きに赴くべし。
   
    三、治兵
   
「先ず、四軽、二重、一信を明らかにす。」地をして馬を軽しとし、馬をして車を軽しとし、車をして人を軽しとし、人をして戦いを軽しとせしむ。
兵は治を以て勝となす、衆にあらず。もし法令明らかならず、賞罰信ならず、これを金して止まらず、これを鼓して進まざれば、百万ありといえども、何ぞ用に益さん。
凡そ軍を行るの道、進止の節を犯すことなく、飲食の適を失うことなく、人馬の力を絶つことなし。この三つの者は、その上の令に任ずるゆえんなり。その上の令に任ずるは、すなわち治のよりて生ずるところなり。
兵戦の場は、止屍の道なり。死を必すれば生き、生を幸すれば死す。
将たる者は、漏船の中に座し、焼屋の下に伏するが如し。智者をして謀るに及ばず、勇者をして怒るに及ばざれば、敵を受くること可なり。故に曰く、兵を用うるの害は、猶予、最大なり。三軍の災は狐疑に生ず。
兵を用うるの法は、教戒を先となす。一人戦いを学べば十人を教え成し、十人戦いを学べば百人を教え成し、百人戦いを学べば千人を教え成し、千人戦いを学べば万人を教え成し、万人戦いを学べば三軍を教え成す。
戦いを教うるの令は、短者は矛戟を持ち、長者は弓弩を持ち、強者は金鼓を持ち、弱者は厮養に給し、智者は謀主となす。郷里あい比し、什伍あい保つ。一鼓して兵を整え、二鼓して陣を習い、三鼓して食をうながし、四鼓して弁を厳め、五鼓して行に就く。鼓声の合うを聞きて、然る後に旗を挙ぐ。
三軍の進止の道、天竈に当ることなかれ。竜頭に当ることなかれ。天竈とは大谷の口なり。竜頭とは大山の端なり。
卒騎を畜うに、むしろ人を労するも、慎みて馬を労するなかれ。常に余りあらしめ、敵の我を覆うに備えよ。よくこれを明らかにする者は、天下に横行せん。

 

 

 

 

 

 

 

 

兵法塾

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